母から電話が
入る。
「けいこ、
いつ来てくれるの?」
うーん、
おかあさん。
一応、明日だよ。
いいじゃん。
先週は次男と
ドライブに行ったでしょ。
(その前の週は
長男と松茸ご飯を
食べに行ったんでしょ。
聞いているわよ。
「松茸ご飯を食べないと
私の秋が終らない」って、
言ったでしょ。
じゃあ、と
弟が街中の店で
済まそうとしたら、
どこその店でないとイヤって、
言い張ったんだってね。
弟は脳梗塞をやっていて、
長時間、車の運転ができないから
嫌って言ったのに、
「この冬、私が死んだら、
あんた一生、後悔する。」って、
脅したでしょう。
それで、
タクシー代片道6000円も
支払わせてどこその店に
行ったんだってね)
↑
()内は怖いから、
言ってません。
いいじゃん。
毎週、毎週、
子供たちが来て、
トシミチくんだって、
来てくれているでしょう。
私だって、
休みたいわよ。
↑
これも怖いから
言えない。
「じゃあ、明日ね。
洋服を買いに行きたいの」
「いや、無理。
夕方か夜だから、
もう買物には行けない」
↑
これだけは言えた。
「けいこは薄情な子だね。
母親に正月を着たきり雀で
迎えさせるわけだ」
↑
頭の回転は
きわめて正常。
かえす言葉なし。