マネジャー会議が
終わったら、
マミコさんが、
「そうそう」と
メモ用紙を渡してくれた。
「メイワン店に
けいこさんを
たずねてこられました」
名前と電話番号が
書いてあった。
なつかしい文字だ。
シズコさんは
アップルハウスの
初めての内職さんだった。
ずいぶん長い間、
仕事をしてもらったが、
ご主人の定年退職に伴い、
故郷に帰った。
帰宅してすぐに電話をいれた。
「息子が出張に行ってね。
アップルハウスをみつけてきたの。
まさかと思って行ったけれど、
あったわ、アップルハウス。
生地が懐かしくって、
変わっていないわねえ」
息子さんが
どうしてわかったかと言うと、
お母さんの仕事を
毎日見ていて、
生地に触っていたから。
電話でまたまた
互いの今までと
近況を話す。
シズコさんは
今年、77歳になるという。
仕事を頼んだ頃は
40歳くらいだ。
ずいぶん大人だなあ、と
思ったけれど、
まだ若かったんだ。
うーん。
それにしても、
今週は
不思議な
1週間だった。
