恥ずかしい

ああ、一日が終わった。
充実の休日だったわ。

ハンドルを切って、
後は駐車場に
車を入れるだけ。

うんっ!
なに!
プンプン
むきき!

私の駐車場に他人の車が
停まっている。

クラクションを
鳴らしてみる。

しばし、
待つ。

マンションの周りを
見てみる。

動きはない…

私を怒らせると怖いわよと、
110番した。

車のナンバーと住所と
名前を告げて、

「折り返して連絡します」

既に過去に経験済み。

とりあえず荷物を
実家に入れておこうと、

エレベーターに
乗った途端に
気づいた。

駐車場の位置が
先月から変わったことに。

あわ・
あわ

再び110番する。

「先刻のは私の誤解でした」

と、人が立っていた。

「すいません
すいません。
すべて私の
誤解でした」

平身低頭。

車の持ち主は苦笑い。

実家に戻って
やっぱりちゃんと
お詫びをしようと、
お茶を持って
再びチャイムを鳴らす。

「お詫びです」

「いえいえ、そんな」

「そう、おっしゃらずに」

「ところで5階の大家さんですか?」

「はい。このたびは
ご入居ありがとうございました」

「ちょうどよかった。
ご挨拶に伺おうと
思っていたんです」

挨拶の品物を玄関先で
受け取った。

こんなおっちょこちょいの
大家で、心証を悪くしたんじゃないか?

ああ、まことにすみませんでした。

トコトン、
私のバカ。

駐車場駐禁


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