莫大小と
書いてメリヤスと読む。
今はメリヤスと言わず、
カットソーと言う。
メリヤスの作り方は
1本の糸をらせん状に
編みたてて、筒状にしていく。
すると、横地は常に
ななめ上になり、
縦地に至っては、
どんどんずれていく。
織りあがった
筒状の生地を
縦地の斜めに沿って
切り開くと、
ひし形になる。
このままでは
型紙が入らないので、
アイロンをかけて、
長方形に直して、
裁断をして、
形にしていく。
だから、この生地は
洗濯をすると
元の形になろうとして、
結果的に斜行と呼ばれる、
脇線に代表される
よじれになってしまう。
ある程度のよじれには
目をつぶるしかないのが
実情なのだ。
1本の糸で織られているからこそ、
カットソーは伸縮がきいた
着やすい素材という
メリットの反面、
こんなデメリットがあるのだが、
知っている人は
案外と少ない。
なぜカットソーが
莫大小(メリヤス)と
呼ばれていたか。
気やすさというメリットと
斜行というデメリットを
併せもっていたので、
下着素材として
使用され続けていたのだが、
同じく下着として
着用されていたTシャツが
アウターになったのと、
時期を同じくして、
アウター素材として
各メーカーも使用し始めた。
消費者にメリットと
デメリットを直接、
伝えることもなく。
アパレル業界全体の
罪でもある。
そう思う。