母の施設から電話が入った。
「明日の花火大会のことですが…」
はっ?
先週は納涼祭でしたよね?
毎週、イベントをやるんですか?
「いえいえ、お宅から花火が
見えるそうで。
お友達ふたりを誘って行くことに
なっているとお母さんが
おっしゃっています」
聞いていません!
知りません!
確かに毎年、花火の日には
近くの人が集まって、
実家から花火見物をしていた。
↑
マンションの5階なので
よく見えるのは確かだけれど。
母ひとりならまだしも
他のお年寄りの面倒は私は
みられません。
事故が起きたとき
対応方法もわかりませんし…。
「そうですよね。
ただ、お母さんは
『私たち子供じゃないから』って
おっしゃっていてね」
↑
たしかに
子供じゃないけれどね!
「では上の者と相談して
また結果をご連絡します。
私どもが伺っても
ご迷惑ではありませんね?」
ああ、それは大丈夫です。
どなたかが付いて来てくだされば、
こちらは受け入れられます。
そう答えて
電話を切った。
私の母は実に元気だ。