16 80代の夫婦愛
岡崎一則
「いまだに倦怠期がきちょらんけん」
岡崎さん夫婦は
農業を営んでいる
20歳の時
結婚をして65年経った
大正時代の農家では
農作物はもちろん
生活に必要なものの
ほとんどを作った
棉を栽培して
機織りをして着物にする
藁を叩いて
草鞋も草履も作る
水道はないから
水汲みをして
家ごとの甕に蓄える
米を食べる時は
前日の夜に
米粒を踏んで
精米する
男も女も
子どもも年寄りも
みんな生きていくための
自分の役割があった
夫として
妻としてはもちろん
家族の一員として
自分たちは生きてきたことを
続けたことが
夫婦愛になった