17 同志の夫婦愛
清水千恵子
「年金にも入ってないから 老後は大変」
樺太(サリハン)で生まれた千恵子さんは
ソ連領になった戦後
家族と共に
着の身着のまま
北海道に戻った
サリハンでは
電話交換手をしていた母親が
荒れ地を耕す父親に
隷属するしかない日々を見て
千恵子さんは
男に頼るしかない結婚生活は嫌だと
強く 思った
千恵子さんは
いわゆる在日二世の人と結婚して
ふたりの子どもを産んだ
子どもたちの国籍を
日本にするか否か
夫は韓国籍であり続けたいという
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子どもが日本国籍になると
夫だけが韓国籍になる
そうして千恵子さんは言葉を結ぶ
家族意識や
同房意識が強いのは
在日韓国人の普遍的な性格として
あるのではないか