ヨシイ ヒサシさん(1930年生)
機械イジリが好きだったヨシイさんは
旧制中学を卒業すると
広島の鉄工所に就職した
けれど
家業を継いでいた
長兄が戦死して
今治市に戻った
当時 今治は
タオルの一大産地で
作れば作るだけ売れた
ところが
高度成長期を迎えるころ
タオル需要が減り始めた
それぞれの家庭に
何枚ものタオルのたくわえができ
消耗品としてのタオルを
作っているだけでは先細る
一時は輸出需要もあったが
東南アジア各国でも
タオル生産が始まり
より安いタオルが市場に出回り始めている
ヨシイさんは これからの
今治のタオルには
付加価値をどうつけるか
考えている