12歳のビートルくんの愛読書は
交通公社発行の「時刻表」
家の掛け時計を見ただけで
どこをどの列車が「今」走っているか
言うことができる
数年前に足を悪くして
車椅子生活を余儀なくされている
だからよけい
外の世界をみたい
いつもの風景と違うものを
すべて目に焼きつけたいから
電車に乗ったら
絶対に寝ない
時刻表と一緒に見ているのは
日本地図
地図を眺めながら
その土地を眺める自分を空想し
みた思いを文章にして
生活していくのが
ビートルくんの夢