女優として
一世を風靡した
ユタさんは
演技の中で
何百回も死んでいる
演技が終わると
起き上がって
もとの生活に戻る
死なんてものは
本当はないの
そんな風に振舞ったりする
こともある
でも実は
よく考えている
理性的に考えていても
感情的になることもある
歳をとって
抜け落ちる髪や
たるんで皴になっていく
皮膚をみると
こんなふうに
死に近づいていくのだと
ひとり 実感する