69歳のヘレンさんの日課は
墓地を歩くこと
生れてすぐに
母親が亡くなり
里子に出された
養父母の両親も
一緒に暮らす
一家だった
幼少期から「死」は
ヘレンさんの身近にあった
家族の死はもちろん
隣近所の人の死も
みんなが
悲しみ 祈った
歳をとるにつれて
周りの人から「死」のある日常が薄れている
だからこそ
ヘレンさんは墓地を歩く
だれでもそこに行くのだから