高校を卒業して
葬祭専門学校で学び
葬祭業の免許を取得した
直後に朝鮮戦争に
駆り出された
敵も味方もたくさん死んだ
味方の遺体は
血を抜いて防腐剤を注入することが基本
その資格を活かして
多くの同胞の死体を処理した
この戦争で亡くなった
アメリカ兵の死体は
飛行場から日本に送られ
日本で整えられて
母国に「英雄」として
戻っていった
数年前
エイズで亡くなった人の
葬儀をしたがらない
葬儀屋が多かったが
ウィリアムさんは引き受けた
貧乏で葬儀費用が出せない人の
葬儀も引き受けた
殺人者も
殺人者に殺された人も
引き受けた
死は人が一度 必ず 経験するものだから
区別も差別も
してはいけない