捕虜たちは
毎日 働かされていたけれど
さぼり名人もいた
さぼり名人は
仲間さえ気づかない時に
どこかに隠れてしまい
点呼の時
数が合わない時があった
ああ またあいつが さぼったなと
仲間は思ったが 行き先は知らない
さぼり名人の動きは
みごとで
食事の時間には帰ってきていて
食べ物にありついていた
さぼり名人を糾弾しようと
考えなかったわけではないが
毎日がとても疲れていた