戦争が始まった時
看護助手として働いていた彼女たちは
米国慰問協会の広告につられて
軍人たちのダンス相手になった
週末は決まってデートだった
1回だけで終わる人がいた
2回会って別れた人もいた
何回も会った彼とは
周りの熱心な勧めで結婚した人もいた
結婚した彼女は考える
軍人と結婚したら
相手を幸せに戦地に送り出すことが
妻になった人の仕事だと
聞かされていたから
そういうものだなと
思い込んでいた
あの時代が「青春」と
呼べたのかどうか
わからない
適齢期の男女に
国を挙げて
「結婚するカップル」を作り出し
夫を幸せな気持ちで
敵地に赴かせる
アメリカの政策だったかもしれない