もちろん 首謀者とされている彼は
別の刑務所に移された
用意されていた部屋は
殺人犯と同室だった
そこで 彼は言った
俺は人殺しをしたくないから
ここまで来てしまった
それなのに
人殺しと一緒に過ごすなんて
真っ平だ
それで独房に移った
毎日四方を壁に囲まれること
窓はあるがペンキで塗り潰されている
だから
手を伸ばして
塗りつぶされた窓のガラスを触って
外の天気を想像するのが
日課になった