除隊した彼は考えた
人はそれぞれの世界を持っている
人も私も同じ権利がある
けれど 私は
人を殺しに戦争に行った
私のやったことは何だったのか
私はいったい 何者なのか
日本軍の飛行機が墜落する様子を
手を打って 喝采した私は
フットボールの試合を楽しむ観客のように
味方の飛行機が落ちると
ため息をついた
けれど
次の瞬間
日本軍の飛行機が落ちるさまを見ると
再び 元気を取り戻した
・・・そんな風に考えて
戦闘機に乗っていた私は
何者だ?
彼は自分に問いかけるが
答えはない