ウエルナくんのクラスは
27人だった
そのうち3人の生徒の親が
ナチ党員だった
ナチ党員とわかっていたから
だれも彼らに逆らわなかった
逆らわないことが
ナチ党員に対する敬意だとも思っていた
ふりかえって思うことは
3人の親である
ナチ党員もまた
ヒットラー政権の終焉を
近い将来に予測していたのではないか
すると
教室に壊れた車軸を持ってきた
先生が生徒たちに
教えたのは
「忍耐」だった