ブラックさんたちを乗せた船が
ハドソン川に近づいた
甲板の白人たちの
歓声があがっていた
「彼女が見えたぞ」
自由の女神像だった
白人が白人の
女神に歓声をあげる
勝手にしやがれ
俺の家族でもなければ
彼女でもない
ブラックさんは船室で
仲間たちの声を
聞いてそう思った