注射器とモルヒネ 軍医

アレックスさんの部隊は

テントで病床と診察室と

手術室を作って

進軍していった

 

前後の部隊との距離を保ち

患者数に合わせた

手当をするために

入念に計算されていたはずだった

 

けれど

誤算があった

 

 

病院ができるとすぐに

次々と患者が来た

 

病院の外にも

診察を待つ行列ができ

 

立っていられない人は

地面に横たわっていた

 

アレックスさんは

モルヒネが入った注射器を持ち

「待っていろ、すぐに診てやるから」と

時間稼ぎをした

 


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