ラジオの前に座り込んでいた父

子供のころ

選挙開票の日の父には

気合が入っていた

 

候補者が載っている

新聞を広げ

赤鉛筆と青鉛筆を用意して

玄関付近の廊下に

文机を置いて ラジオの横に陣取った

 

おお

ああ

うーん

 

時々 父の声が聞こえてきた

楽しそうに聞こえた

 

当時は

「小選挙区 比例代表並立制」ではなかったので

明け方に逆転したこともあった

 

大人になったら

私もやろうと思ったけれど

現制度が定着しているので

開票開始直後に当落がほぼ確定する

あっという間にわかってしまい

・・・つまらん

 

コピーも

マーカーもない時代だった

 

タイムスリップして

ラジオの横に座り込んでいた父に

渡せたらいいなと思う

 

 

 

 


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