ヴイタリさんが7歳の時
父親は捕虜収容所に入っていた
母親は行方知らずだった
一緒に暮らしていた祖母は
年寄りで病気がちだった
ヴイタリさんが7歳の時 母を探しに家を出た
キエフまでの300キロを歩いた
途中 似たような子供たちと出会った
みんな キエフを目指して歩いていた
キエフに着くと
グループを作り 家々のドアを叩いたり
市場をうろつき なにかをねだって歩いていた
夜は雨露がしのげる場所を探して
身を寄せ合って眠った
そんな生き方ができた時代だった