ヴイタリさんのお母さんもまた
父を探していた
お父さんは有名な細菌学者で
キエフ研究所の所長をしていたのだ
ドイツ軍の下で細菌兵器の研究を
余儀なくされていたが
兵器ができる前にドイツは降伏した
終戦直後 ヴイタリさんのお父さんは生きていた
けれど
ゲシュタポの監視がなくなっても
既に精神を蝕められていて
動くことができなかった