30 おばあちゃんの昔話 城間ヨシ

 

30 おばあちゃんの昔話

城間ヨシ

「小さい頃から なんでも仏壇に御願していましたよ」

 

 

母親をひとり実家に残して

嫁いできたひとり娘だったヨシさんは

 

母親が恋しくてたまらない

 

夕食を手早く済ませて

実家に行くと

母はいつも「早く帰りなさい」と言う

 

あるいは

子どものPTAの集まりがあると

誰よりも早く 学校を後にして

母に会いに行っていた

 

一方でヨシさんは

子どもたちを容赦なく躾けた

子どもにもできる 家の仕事をどんどんさせた

 

あなたたちが結婚した時

相手に「いい人と一緒になった」って

お母さんは思ってもらいたいの

 

だからうちの子どもたちは

みんな働き者に育った

お母さんが私を躾けたように

私も子供たちを躾けたから

 

 

 


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