短編なら
読めるだろうと
買い求めた
大江健三郎
自選短編
私は本を読みながら
気になる一文や知らない言葉に出会うと
鉛筆で線を引いている
昨日の夕方
読み終わっていないなあと
文庫本を開いた
4番目に掲載されていたのは
『飼育』で
風景がこんなに
きれいに描かれているのに
情景はどうしてこう
生々しいのかと
読んでいて・・・嫌な気持ちになった
なんとか
読み終わっても
次の作品に進めず
うじうじと考え続けていた
「人間」ってなんだ?
朝
会社にきて
大江健三郎を検索してみた
それで
『飼育』が1958年の芥川賞受賞作品で
当時 大江健三郎は
23歳だったと知って
そうか
風景の瑞々しさは
若いからこそ描けるもので
情景は
己の内側のさらなる深みに
入っていったからこそ
描けたものだなと納得した