10年以上前から
浜松市民文芸賞の
随筆部門をしている
引き受けた頃は
戦争体験をテーマにした
作品が多かった
私は戦後生まれなので
戦争体験はない
両親や親せきから聞く
話だけが
戦争の知識だった
あるいは戦争を題材にした
・ひかりごけなどを
読んだくらいだった
応募作品を読んでいると
知らない話がたくさん出てきた
普通の人が
普通でなくなる戦争というものを
応募作品の行間から
読み取った
数年前から
応募作品の流れが変わって
戦争体験を綴ったものが
減ってきた
書き手が
いなくなってしまったのだ
そうして今
日本を動かしている人たちには
戦争体験がない
経験がないことに
立ち向かわなければいけないのは
感染症の対処と同じだ
日本は
世界は
どう 変わっていくのだろうか