先日
ブログに書いた
ヒクメットの詩集があった
「死んだ女の子」全文
明けてちょうだい たたくのはあたし
あっちの戸 こっちの戸 あたしははたたくの
こわがらないで 見えないあたしを
だれにも見えない死んだ女の子を
あたしは死んだの あのヒロシマで
あのヒロシマで 10年前に
あのときも7つ いまでも7つ
死んだ子はけっして大きくならないの
炎がのんだの あたしの髪の毛を
あたしの両手を あたしのひとみを
あたしのからだはひとつかみの灰
冷たい風にさらわれてった灰
あなたにお願い だけどあたしは
パンもお米もなにもいらないの
あまいあめ玉もしゃぶれないの
紙切れみたいにもえたあたしは
戸をたたくのはあたしあたし
みなさん 署名をどうぞしてちょうだい
炎が子どもを焼かないように
あまいあめ玉をしゃぶれるように
(1955年)