太平洋戦争が終わり
彼は民間人教官になった
やがて
ベトナム戦争が始まり
ベトナムにも
タイにも行き
最後の赴任地は
日本だった
アメリカ基地には
日本人が働いていた
彼らは
日本語でおしゃべりをしていたが
抑揚がなく 何を言っているのか
わからなかった
個室を用意してくれて言ったら
用紙を取り出して
これに記入せよと言って
またおしゃべりを続けた
抑揚がないので
何を言っているのかわからなかったが
彼は無性に腹が立った
俺の話を
俺の状態を聞けよ
ベトナム戦争から
戻ってきたんだぞ
彼らのおしゃべりを聞きながら
コンチクショウと思った
こんなに相手の気持ちや状況が
わからない日本人だから
爆弾が落とされたのだ