離婚した彼女は
ひとり ロスアンジェルスに出てきた
当時のロスアンジェルスは
人種差別が激しくて
黒人が行けるエリアは決まっていた
バスを待っている時に
ひと月分の給料が稼げる
売春婦にならないかと誘われたこともあった
彼女はまっとうな仕事なら
なんでもやってお金を稼いだ
お金がまとまると
いろんな事業を起こした
失敗したと思ったら
すぐに止めて
別の仕事をした
今 彼女はアパート経営をしていて
時々 自分の生きてきた道を振り返る
戦争前 アメリカは大恐慌の最中だった
1ドル稼ぐのも容易ではなかった
だから
当時の大統領ルーズベルトの
宣戦布告に周りの人は 喜んだ
やった
これで仕事ができるぞ
金を稼げるぞ
生きていけるぞ
振り返って思う
戦争はそういうものではない
自分たちの一時の欲得のために
あんなにも多くの犠牲を払うなら
するべきではない