ウサギ撃ちと同じ

軍隊は黒人部隊と

白人部隊に分けられていた

 

白人の部隊は官舎で

寝起きし

 

黒人の部隊は

テントで暮らした

 

ある夜

6台のトラックが来て

黒人部隊のテントを

取り囲んだ

 

テントの明かりを消すと

発砲を始めた

 

白人兵が

黒人兵の銃口を向けたのだ

 

仲間の大半が死んだ

彼の身体に

何発かの銃弾が

打ち込められたけれど

致命傷にはならなかった

 

やがて

赤十字の車が来て

仲間の死を確認していた

 

病院に運ばれる車の中で

彼は赤十字が

いった言葉を覚えている

 

「おれんとこじゃ

クロうちは

ウサギを撃つようなもんさ」

 

 


Share:

アーカイブ