愛国心に燃える 「犬係」

彼が育った地区では

「女々しいこと」はタブーだった

 

男は強く

勇敢でなければならぬ

 

だから徴兵されると

最前線で戦える

国のために働くことができる

 

そう 思った

 

けれど

配属された部隊で

彼は「犬係」だった

 

部隊の将校の部屋の掃除を始めとする

あらゆる雑用が

彼の仕事だった

 

 

早く 戦地に行きたい

最前線で戦いたいと

思っていたのに

 

その機会がないまま

戦争が終わった

 


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