やがて ドイツ軍は
ウッドさんたちが住む街を
爆撃し始めた
最初に学校がふたつ
場間はされた
爆撃がなければ
爆撃機が飛んでこなければ
普通の暮らしができていたのに
日々の生活は変わった
どこにいて
何をしていようとも
爆撃機の音がすると
人々は身を隠すところを探した
ある時は
目の前の商店のカウンターのなかだった
いなかに行くと
スチール製のテーブルが
簡易避難器具になった
スチール製だから
爆弾は通さない
それだけの理由だったが
防護できたのはテーブルの下に
入った身体の部位だけだった
しかも天板の下の部位しか
防護できなくて
前後左右の手足は
簡単に吹き飛んだ