ふたつ目の扉 戦時中の金沢

ヤスコさんは

小学生になった

 

登校一日目に

全生徒が

講堂に集められた

 

演壇に立った

校長先生は

天皇陛下のこと

私たち臣民が

国のために

何をしなければならないのかを

熱心に話した

 

 

校長先生の背後に

よく磨かれた木の箱があった

 

ひとつ目の扉を開けると

ふたつ目の扉が見えたけれど

生徒たちは

ふたつ目の扉の奥に

あるものを

見せてもらえなかった

 

 


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