終戦近くなると
食べ物がどんどん
なくなっていった
女と子どもは
田舎に疎開した
食べるものがない子どもたちの
手足はどんどん
痩せていき
お腹だけが
膨らんでいった
やせこけだ弟をみて
「インデアンの子どもが
干ぼしたみたい」と
ヤスコさんは思った
手足は箸よりも細い
つま楊枝みたいだった