初めての慰問に訪れたのは
長い病棟の真ん中で
前も後ろもベッドが続いていた
その真ん中がステージ部分だと言われた
そうしてフリーダさん姉妹は
見てしまった
腕のない少年
足のない人
顔の半分がつぶれた人
姉妹は支え合って
舞台に立った
気を失ったら
隣の姉妹に支えてもらえるように
45分くらい歌った後に
フリーダさんは気づいた
全身包帯をした少年が
泣き始めていた
包帯した少年を気遣いながら
歌っていたら叫んだ人がいた
奴のことなんて気にするこたあない
あいつはガールフレンドことを
夢見ているだけなんだ