ホロコーストの存在を知った時
バージニアさんの心のなかで
ガラガラと崩れていったのは
『善なる人間』
広がっていったのは
『悪は広がる』という事実
そこまで できるのか
そう思えるほど
人間は醜悪になれるという事実
限りなく親切で優しいのは人間
残酷で無慈悲なのも人間
ふたつの人間が
ひとりのひとのなかにある事実
それでもバージニアさんは
善なる人間を信じたいと考えた