エリックさんは気が休まらなかった
ヒットラー政権が発足してすぐ
10万人以上の自由主義者 詩人 聖職者 学生 労働者などが
収監されていたからだ
エリックさんの兄は
書店を経営しているという理由で収監され
帰ってこなかった
政権に逆らえば生命がないことはわかっていた
家のなかでも落ち着かなかった
自分の考えや感じ方が
ヒットラー政権下でどうとられるのか
家族にすら
考えや思いを口にすることはできなかった
互いが互いを監視していた