巨人のゴム手袋 ヒロシマの歩哨塀

巨人のゴム手袋

 

気づくと
目の前に男が立っていた

彼の身体は風船みたいに膨らんでいた

指の一本一本まで膨らんでいて
巨人のゴム手袋みたいだった

男はジョセフさんと一緒にいたがったので
2~3時間ただ座っていた後で
風船男に導かれて
瓦礫の中を歩きだした

死臭が強くなったのは死体焼き場に近づいたからだ

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