暑さのせい

数日前に某大学のゼミ?の
課題で雑誌を作る企画があり、
取材協力を頼むかもしれないと、
まことに要領を得ない
ファックスが届いていた。

放っておいたら、
午前中に電話がきた。

大学名と取材という言葉を
連呼するだけで、
文面よりもさらに
要領を得ない。

聞いていったら、
取材用の時間を
空けて欲しい。
いつでも、
どこへでも、
参りますと言う。

いつでも、
どこでもなんて言葉を
簡単に使っちゃだめ。

先にあなたが
確実に来られる
日時を言わないと、
アポは取れないでしょと
アドバイスした。

で、日程が決まり、
時間は何時からかと
聞くので、
13時30分から
1時間と私は
答えた。

1時間だけですかぁ?
最低、2時間はいただかないと。

電話の向こうで
悲鳴みたいな声が聞こえた。

1時間で終らせられるように
下準備をしてきなさい。
事前にメールで質問しても
いいわよ。
そうアドバイスした。

はい、わかりましたと
電話が切れた。

学生につきあってられんが、
まあ、これも大人の役割かと
手帳に日時を書き込んだ。

さっき、その学生から
また電話があった。

またまた
大学名と取材という言葉を
連呼して、
約束をキャンセルしたいと言う。

理由は1時間では
取材はできない,と
判断したからだという。

はい、わかりました。

受話器を置いて、
手帳欄に書いた
文字を消した。

こんなに私が
意地悪なのは
暑さのせいだと
思う。

得意げ


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